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Channel: アメジスト紫峰の輝き
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☆番外編・稲麹 稲霊(いなだま)☆

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$アメジスト紫峰の輝き


この時期、私の家の周りの田んぼは黄金色に輝き、稲穂の香ばしい匂いがしてきて、私はこの豊穣の季節が大好きです。

悠然とこうべを垂れる稲穂ですが、そこに隠れる驚きの事実をシェアします。


麹菌・乳酸菌・酵母菌の3菌を制すると(有効に用いることができると)、ひとは健康な生活が送れると言われていますが、麹菌は特に日本人には欠かせないもので、塩麹・醤油麹・味噌・醤油・酒・漬物などに利用されていますね。

この麹菌が、稲穂についている姿を見たことがありますか。


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この黒大豆のように見えるのが、稲穂についた稲麹菌で、有機農法や自然農法の水田にしかできないものだそうです。

この黒緑の粒は手に乗せると緑の粉が付き、それが天然麹菌です。
これから種麹を作り、そして麹菌を増やしていきます。


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う~ん・・・こういった黒い粉のついた稲は、残念ながら、私は今まで一度も見たことがなかったです。
無農薬や自然農の田んぼで、稲刈りしたことがなかったのですね。


そういえば有名な千葉県神崎の寺田本家のお酒は、これから作っているそうです。

普通は、明治時代になって西洋から入ってきた、菌だけを人工的に増やす「純粋培養」の技術で作られた人工麹菌を使うところを、寺田本家では自家栽培の無農薬米から天然麹菌を取って、醸しています。


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寺田本家HPより

寺田本家では2008年11月より、自社田の稲穂から採取した稲麹菌から自家培養しました天然麹菌を種麹としたお酒造りを本格的に始めました。

“百薬の長たる酒は天然の麹菌から”という23代寺田啓佐の強い信念のもと、2007年より藤波杜氏が、稲穂につく稲麹からの種麹菌の培養を試みてまいりました。
今ではすべての酒を、この天然麹菌で仕込んでおります。

黒い粒の中には麹菌が生きています。
昔、稲麹がつくと、その年は豊作といわれたそうですが、今では稲の育ちが悪くなるとの事で発生を防いでいるそうです。


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稲麹は、「稲霊(いなだま)」とも呼ばれ、それだけ崇高で大事なものとして、古代から扱われてきました。

けれど現代では、稲穂に、この稲麹菌がつくと、養分がとられてしまい、周囲の籾の育ちも悪くなるので、イナコウジ病(稲麹病)と呼ばれ、発生するのを防いでいたりするそうです。

生産性や経済性を上げるためだけの農法にとっては、稲麹は、カビ・病気と見られ、排除すべきものであり、一方では日本の伝統食のために最高の微生物の「麹菌」として、大事に用いられる・・・まさに「腐敗か発酵か」という一大命題を宿した稲霊なのですね。

無農薬や自然栽培の稲にしか付かない稲麹は、まさに自然と共存しようと努力する人にのみ贈られる天からの贈り物なのでしょう。


ちなみに、この稲麹を食べるガの幼虫(ヒメクルマコヤガ)もいるそうで、ちゃんとそれが過剰発生抑止の役割も果たしているわけですから、自然界というものは本当に過不足の無い循環サイクルが出来ているものだと感心します。

そういえば玄米の籾には乳酸菌も付いているし、主役としての自らを生かす脇役を携えながら生まれ出てくる、稲・米は本当に日本人の命の根源ですね。

この天然の麹菌を生み出し続けるためにも、無農薬や自然農が増えていって欲しいと思います。










ハートバレンタインデーハート


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